個人事業を始めて、1年が経った。
4月から新しいスタートを切る。こちらから積極的に動いていかないと、サバイブしていくのは簡単じゃない——そのことを、この1年で骨身に染みて学んだ。
やっていることの方向性は、間違っていないと思っている。
晴耕くらし舎として大切にしたいことは、「これからの社会にとって価値のあること」の1つだと信じている。
それでも謙虚に、自然の営みを感じながら、コツコツと実践を積み重ねていくこと。
地味でもいい、時間をかけてもいい。
そういう姿勢のなかに本質があると思っている。
だから正直、AIとは似合わないと思っていた。
効率化、最適化、生産性。
そういう言葉が並ぶ世界の話だと、どこかで線を引いていた。
でも、昔から最新のガジェットや技術への興味は素直にあった。
ChatGPT、Claude、NotebookLM——それぞれ実際に有料プランの使い勝手を試してみることもあった。
業務にどこまで使えるか試しながらの日々が続いている。

使ってみてわかったのは、AIは「ひとり事業の構造的な弱点」を補うものだということだ。
わたしが日々こなす仕事は多岐にわたる。
農的なくらしの実践、発信、各種申請、戦略を考えること、学ぶこと。
自分たちが、自分の言葉を選んで表現したり、手間をかけたり、小さな隙間を味わったり…
そういう時間を作りたい一方で、事務作業などで時間を取られてしまう。
かけたい時間にだけ時間をかければ、結局それを表現していくチャンスは失われる。
削れる時間をつくれば、
それらは決してバラバラではなく、互いにつながっている。
でもそれを紐付けながら整理しながらこなしていくのは、ひとりでは正直しんどい。
優秀な秘書を一人雇うような感覚で手伝ってもらう——それが今のわたしたちのAIとの付き合い方だ。

ChatGPTは、カスタムGPTsを作ることで一貫性のある安定したアウトプットが出せた。
事務的な手続きの書類、特に行政に出す書類などの細かい言い回しなどをチェックしてもらえるのはありがたい限り。
どうしても、助成金や契約書など、行政レベルの書類を作ることは避けて通れない状況。
「行政文書」特有の言葉遣いや様式をチェックするのに、自分たちの時間を割きたくはない。
ただ昨今の世界情勢も踏まえると、軍事とのつながりにおいて、違和感が拭えなくなってきた。
現在は使用頻度が下がっている。
NotebookLMは、わたしたちのくらし方との相性が抜群だ。
自分たちの気になる方の発信・情報をまとめて、ポッドキャスト風にして自分専用のラジオ番組にしたり、所属する団体の規約などをまとめて入れておき、そこに照らし合わせてどうかを判断してもらったり。
たくさんあるネット上の情報から「回答」を持ってきてもらうのではなく、自分が参照してほしい資料を与え、それをすべて参照してから(それ以外の情報・雑音を入れずに)「回答」を持ってきてもらう。
他の生成AIとまた違った使いこなしができる。
正直ネット記事を読む時間もままならない日々。
それなのに、勝手におススメされる記事にどんどん吸い込まれて、時間が消えることもあった。
自分が欲しい情報のみをまとめた番組を作ってもらう、自分専用ポッドキャストなんて以前は全く想像もつかなかった世界。
大量のファイルアップロードや画像生成を求めない限り、課金なしで十分使えるというのが正直な印象だ。
そして今、業務改善においてもっとも劇的な変化をもたらしてくれているのがClaudeだ。
Claude Codeを使うと、自分のデスクトップのファイルを直接見に行って、直接操作してもらえる。
これまではAIに情報を渡すために人間が媒介しなければならなかった。
指示を出して、結果を受け取って、また自分で手を動かして実行する——そのループをずっと繰り返してきた。
それがもう、パソコンの中を自分で探し回るところまでAIがやってくれる。
これはこれまでのAI活用と、根本的に意味が変わると思っている。
ホームページ制作でもClaudeは他の生成AIとは比べ物にならないほど有能だと実感した。
ClaudeのHTMLやCSSは、デザイン性が想像以上に高かった。
自分たちのことを外に向けて発信していこうと決めたとき、拡散力のあるSNSが手っ取り早いとは分かっていたが、そこには前向きになれない理由もあった。
そこで、自分たちのホームページをもつことから始めた。
わたしたちはプロのプログラマーではない。
知り合いのイラストレーターの描いてくれた素敵なイラスト。
こんな雰囲気のホームページにしたいというイメージはある。
でも、それをプログラム言語で作っていく能力はなかった。
そうしたWebデザインを一から学ぶことにかける時間的余裕はない。
そうして、自分たちの発信をあきらめていた部分もあった。
でも、Claudeとやり取りする中で、自分たちにとっては満足いく仕上がりになった。
最初から整ったわけではなく、その都度イメージを伝えて修正しながら、今のホームページが整った。
一人の専門のWebデザイナーに助けてもらっている感覚。
その過程も含めて、面白かった。

このホームページのデザインに関するスキルを学ぶことを捨てる。
それぞれの記事のタグ付けや表示のされ方などホームページの構造に関するアイデアももらう。
相互リンクをかけること、スラッグの命名ルール、自分でやっていたら時間だけが過ぎていっただろう。
それを優秀なアシスタントに投げることで、私たちは自分たちのくらしでの手足を使った実践、その日々で感じた想いを文章にすることなどにもっと時間をかけることができる。
手間暇かかる、泥臭くてアナログなことの価値を大切にしたい。
一人の人として、自分の想いを言葉や曲などにして表現をしていきたい。
だから、それ以外の手渡せるものを手渡していく。
最初から拒絶するのではなく、便利に使いこなしていきたい。
大切なのは、何をどう使うか、どこに何を預けるか、自分たちの軸を持っておくことだと思う。
こちらが主導権を持つためにも、生成AIに自分たちの自己決定を委ねる、AIに決めてもらうのは避けたい。
表現ではなく、事務的なことやプログラミングなどの論理的なスキルが求められることについては委ねていく。
それが、今の私のAIとの向き合い方だ。
どのAIを使うかは、1〜2ヶ月で世界が変わるような領域だ。
常にアンテナを張ることは大事。
ツールは変わっても、その軸があれば乗り換えられる。
私たちには、じっくり時間をかけたいしごとも多い。
その代わり、効率化できるものはAIに思い切って任せる。
そのメリハリが、個人事業を続けていく上でのわたしたちなりの答えになりつつある。
耕太

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